皆さんこんにちは。
皆さんは荒木飛呂彦さんという漫画家をご存知でしょうか。
累計発行部数1億部超の「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズを1986年から現在に至るまで連載し続けているものすごい漫画家さんです。
絵柄がとても独特なのですが、ハマる人はとことんハマります。
今回紹介する「荒木飛呂彦の漫画術は」荒木飛呂彦さんがこれまでの人生で培ってきた漫画についてのテクニックを解説していくという内容で
この本を読めば荒木飛呂彦さんがどのようにジョジョという漫画を作り上げていくのかといった過程を知ることができ、また荒木さんがどのような人間なのかということも分かる1冊になっています。
こんな人におすすめ
絵の表現方法を勉強したい
漫画家を目指したいがどうすれば面白い漫画になるのか知りたい
漫画家がどのようなことを考えて漫画を描いているのか知りたい
荒木飛呂彦さんという人物についてよく知りたい
ジョジョがどのように出来上がっていくのか知りたい
私がこの本を読む前の荒木飛呂彦さん像
私がこの本を読む前に荒木飛呂彦さんについて思っていたことは
この人は「天才」なんだろうなぁということでした。
ジョジョに出てくるキャラクターの中に”岸部露伴”という人がいます。
上の画像で本と一緒に写っている漫画の表紙にいるキャラクターで職業は漫画家です。
超人的な技法でペン先からインクを飛ばして漫画を描いたり、
漫画のリアリティのためにクモの腹をナイフで刺して、出てきた体液を舐めたりする
そんな変人キャラクターなのですが荒木飛呂彦さんもきっとそんな感じなんだろうなと
勝手に思っていました。すみません。
漫画を描くときも岸部露伴みたいに頭の中に浮かんだものを一気にズババーッ! と
バリバリ描いていそうだなというイメージでした。
しかし、この本を読んだ後、私の中での荒木飛呂彦さん像はひっくり返りました。
以下、私が読んで衝撃的だったところを抜粋します。
①最初の1ページをめくらせろ
結局のところ、漫画を生かすも殺すも、この最初の一ページ次第なのです。
荒木飛呂彦さんがデビューし始めた頃の経験で、編集の人に持ち込みの原稿を持っていくと
一コマ目を読んだだけで、その原稿を袋の中に戻されるということがあったそうです。
そして荒木飛呂彦さんはそういった編集の人に漫画を読んでもらうため、
他の漫画家の最初の一ページを片っ端から分析したそうです。
これを読んで荒木飛呂彦さんの漫画に対する努力を知って驚くとともに
漫画家がいかに大変かということを感じることができました。
②キャラクターの”身上調査書”を作る
キャラクターを作るときは、絵にする前に、必ず身上調査書を書く事にしています。
これは、『ジョジョ』の連載が始まる前から四十年以上続けていることで、僕にとっては「秘伝のたれ」のようなものです。
ちなみにこの調査書の内容は名前、年齢、性別や身長体重、生年月日や血液型などから始まり
学歴、好きな音楽、ペット、はたまた幼児期や少年期の精神的な体験など
なんと60近くも項目があるそうです。
ここまでキャラクターを緻密に作り上げていくと、物語の中に放り込むだけで
キャラクターが一人でに動き出すと荒木飛呂彦さんは語っています。
最初の一ページといい今回の調査書といい、荒木飛呂彦さんが作っている漫画は
決して頭の中でパッと思いついたものをそのまま形にしているのではなく、
理論を知り、キャラクターを練って考えに考え抜いたものなんだなと知り
改めて荒木飛呂彦さんの凄さを再確認しました。
③アイディアについて
「アイディアは尽きないんですか?」と聞かれることもありますが、アイディアが尽きるというより、自分の興味が尽きるからアイディアがなくなるのだと思います。
この部分を読んでなるほどなぁと納得しました。
結局アイディアというのは身の回りにいくらでも転がっていて、
自分がそれに気づいていないだけなのでしょうね。
周囲に何が起こっているのかアンテナを常に張り巡らせ、好奇心をいつまでも持ち続けること。
興味を持てないと思ったときは「なぜ自分はこれに興味を持てないのか」と自問自答し
自分自身に対する興味も無くさないようにすること
これがいつまでも物事を考え続けるために必要なことでしょう。
創作活動をしている人もそれ以外の人にもおすすめの本
他にも、キャラクター、世界観、テーマの作り方など漫画を作るうえで欠かせない事柄を
ひとつひとつ丁寧に解説されていて、とことんまで考え抜いて漫画を作っているのだなというのが分かりました。
また、実際にネームなどを出してジョジョがどのようにできていくのかを解説する章もあり、
ジョジョのファンにとっても面白い本になっています。
この本を読むことによって創作活動をされている方はもちろん参考になりますが、
そうでない人も漫画を読むときに漫画家が何を表現したいのかという部分が分かり、
漫画をより一層楽しめるようになると思います。