皆さんこんにちは。
日本にある主要な宗教の一つに「神道」があります。
この神道、現代には日常生活に溶け込んでいるせいで普段私たちは宗教行事を行っている感じはあまりないのかもしれません。
そもそも神道とはどういった宗教なのか、そういったことを簡単にまとめていきたいと思います。
神道ってどんな宗教?
神道と聞いてすぐに思い浮かぶのは八百万の神々と称されるほど神様が多いということでしょう。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教は一神教で、神は絶対の存在で過ちを犯すことはありませんが、多神教の神々はいたずらをしたり、喜怒哀楽の感情を持ち合わせていたりします。
また、キリスト教にはイエス、イスラム教にはムハンマドなど有名な開祖がいますが、神道にはそれにあたる人物は存在しません。
それらの宗教では守るべきルールがあるのに対し、神道はそういったルールもありません。他にも聖書やコーランなど、宗教としての教えが読み取れるものもありません。
こうしてみてみると神道を現在の世界宗教の観点からとらえるのはなかなか難しいですね。
神道の信仰対象
1.自然
神道は日本の風土から生まれた日本固有の民族宗教です。日本人は自然のいたるところに神を感じ、崇拝してきました。そんな自然崇拝が神道の始まりです。
神道とは、読んで字のごとく「神の道」であり、これは稲を植え、育てることだと言われています。元々日本人は弥生時代頃から稲作を行っており、そこから稲作・農耕の神を祀るようになりました。神道は農耕と非常に関わりが深い宗教なのです。
2.人間
神道といえば自然崇拝が有名ですが、人も信仰の対象となります。
大きく分けて二種類あり、生前に優れた業績を残した人を死後に神として祀ったもの、生前に怨みを残して亡くなった人が祟りを引き起こすことを恐れてこれを鎮めるために祀ったものがあります。
「亡くなった人を祀ることで祟りを鎮める」というというのは御霊信仰と呼ばれ、有名なものに菅原道真や平将門が挙げられます。
祟りが恐ろしいから人を神として祀るというのは特徴的ですよね。
また、私たちが先祖の霊を祀るのも神道の影響とされています。盆や彼岸などの行事がそうです。
自然崇拝(アニミズム)
生物、無機物を問わずすべてのものの中に霊魂や霊が宿っているという考え方を自然崇拝(アニミズム)といいます。
神道はアニミズムであるとよく言われていますが、神道の信仰対象は自然だけに留まりません。先に紹介した通り、人も信仰の対象となります。海の向こうからやってくる異郷の人をも神として崇めることがあったそうです。神道はとにかく色々なものを信仰の対象としているんですね。
稲荷神社がどうして有名なのか?
神社と聞いて思い浮かべる人が多いのが稲荷神社ですが、どうして稲荷神社は有名なのでしょうか。
農耕との関わりが深い神道では、穀物や農業の神である稲荷神を祀る稲荷神社が全国にたくさん存在しており、日本の神社の中で大きな勢力を持っています。
稲荷神社が有名な理由は、神道が稲作と深い関わりがあるからだったんですね。
日本にある神社の中で最も多いのも稲荷神社とされています。
なぜ狐なのか?
これについては様々な説があり、稲荷神と同体である御饌津(みけつ)神が誤って御狐神と書かれ、そこから狐が誕生したという話や、穀物を食べる鼠を狐が食べてくれるため穀物の守り神とされたという話、他には稲を収穫する時期になると、狐が山から降りてきて人里で目撃されることが多かったため、当時の人は狐を稲荷神の使いであると考えたからなどがあります。
稲荷神社や八幡神社、天満宮などの同じ名前の神社がたくさんある理由
日本の神社で一番有名なのは上に挙げた稲荷神社ですが、誉田別尊(応神天皇)・比売大神・息長帯姫命(神功皇后)をまつる八幡神社や、平安時代の貴族である藤原道真をまつる天満宮なども有名です。
そして、稲荷神社、八幡神社や天満宮は日本中にたくさん存在しています。
みなさんは、名が同じ神社がなぜ色々な場所にあるのか不思議に思ったことはないですか?
これらの同じ名前の神社、宮が全国にたくさんある理由ですが、神道では神霊は無限に分けることができ、分けても元の神霊に影響はなく分けられた方も本社の神霊と同じはたらきをするとされているからです。
こうして神霊を分割することによって祭神と名前を同じくする神社は増えて行きました。これを分霊、または別御霊といいます。
全国にたくさんある神社はそれだけ需要があった神社と言えるのですね。
ちなみに、稲荷神社の総本社は京都にある伏見稲荷大社、八幡神社の本社は大分県にある宇佐神宮、天満宮の本社は福岡県にある大宰府天満宮です。
まとめ
神道についていろいろと紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
普段私たちが何気なく行っている行為も、実は神道の影響だったというものは少なくありません。
それらがなぜ行われるようになったのかを知り、自然や祖先に今一度感謝をしてみるのも良いかもしれませんね。